フェアトレード

マイクロプラスチックについて僕が知らなかったこと

先日、エコプロ2018に行ってきました。

ピープルツリー、ネパリバザーロ、パルシックなどフェアトレードの活動をしている団体の方とお話できました。

このイベントで開催された事前登録が必要なセミナーをいくつか聞いてきたのですが、マイクロプラスチックについてのセミナーが、一番勉強になりました。

お恥ずかしい話、マイクロプラスチックについて自分がいかに知らないか、知ることができました。

 マイクロプラスチックについて僕が知らなかったこと

マイクロプラスチックについては、もともとそんなに知っていたわけではなく「海洋汚染」ぐらいのイメージしかなかったのですが、

・どのぐらいの大きさまで微細化しているのかがわかっていない
→研究でマイクロプラスチックを採取するのに使われている網は0.3㎜なので、それより小さいものが理論的には大量にあるはずだが採取できていない。つまりどこにあるのかもわかっていない。

・どのくらいの期間をかけて細分化するのか、そのプロセスがわかっていない
→プラスチックが世に流通し始めてから60年が経過しているので、60年以内ってことぐらいしかわからない

・南極海でもマイクロプラスチックは発見されていて、地球上でマイクロプラスチックがない海はない
→特に日本などアジア周辺の海はマイクロプラスチックの濃度が高い

・マイクロプラスチックは海洋中の汚染物質を吸着する。それがプランクトンなど海の生物に入っていき、食物連鎖が起こることで生物濃縮されていく可能性がある。

・日本国内のプラスチックは全体で約85%が再利用されているというが、そのうちの約60%がサーマルリサイクル(焼却して熱エネルギーとして利用する)、約23%がマテリアルリサイクルとして再利用されている(僕らがよくイメージするプラスチック製品)。ただし、この約23%のうち、約17%は海外へ輸出してリサイクルしているため、国内でリサイクルされているのは全体の約7%しかない。
→中国はプラスチックの受け入れをやめるから、今後リサイクル事情がどうなるか不透明。全体の約60%を占めるサーマルリサイクルは地球温暖化の要因。

・日本は年間150万トンの廃プラスチックをアジア諸国を中心に38カ国に輸出。

・日本は一人当たりの容器包装用プラスチックごみ発生量が世界2位(1位はもちろんアメリカ)

いや、これエライことでしょ。

 でも、よく考えると地球ってすごい!

かなりビックリしながら話を聞いていたのですが、でもマイクロプラスチックが汚染物質を吸着して生物濃縮をしていくと、最終的には食物連鎖の頂点に立つ人間に一番集まるって、容易に想像できる。

「人間が出した汚染物質やプラスチックが、ブーメランのように人間に帰ってくる」と考えると、地球という生命体はすごいなぁ、と一人で感心しておりました。

もちろん、生物濃縮されるまでにたくさんの海の生物が犠牲になるので、ほっとけばいいなんて話ではないのですが。

 で、僕らはどうしたらいいんだろう?

で、どうしたらいいんだろうという話です。

実は当店、このセミナーを聞く前に、マイクロプラスチック対策として生分解性ストローを購入してみました。

ですがこの生分解性ストロー、専門家にいわせると何の効果もないそうです。

その理由は

・一定の温度や湿度で管理された状態で分解するように設計されているので、ゴミとして捨てられる場合に想定される多様な環境下では分解しにくい。

・生分解性プラスチックといえども、微細片となって海に漂えば、環境負荷はマイクロプラスチックと同じ

・生分解性だから捨てても良いというモラルの低下が懸念される

・・・・。なんてこったい。

このマイクロプラスチック問題、どうやら優先順位というものが大切で

①とにかくプラスチックを使わない!(=リデュース、減量)
②プラスチックを捨てずに再利用!(=リユース)

が大事だそうです。

サランラップの代わりにエコラップを使ったり、ストローは使わない、使うとしてもステンレスや竹など洗って繰り返し使えるものを選ぶ、エコバックを持ち歩く、というのが身近にできることになりそう。

でもプラスチックごみを実際に見てみると、その多くはやはり容器包装用(食物のトレイや袋、家電や雑貨の梱包材など)が圧倒的で、これは企業、そして社会の仕組みを変えていかないと根本的な解決にならないでしょう。

とすれば、僕らにできることは

選挙に行って、環境問題をなんとかしてくれる人に投票する

ということがだなぁ。

全ての問題解決は選挙に通ずる。と痛感した一日でした。

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